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しんぺーの日記

日々のあれこれを書き連ねていく外向け日記のようなブログです

会議力 奥出直人著 平凡社新書について

 久しぶりの投稿です。

 

 今日は「会議力 奥出直人著 平凡社新書」をまとめます。

 

 参考文献は

「知的生産の技術 梅棹忠夫著 岩波新書

「発想法 川喜田二郎著 中公新書

「続・発想法 川喜田二郎著 中公新書

「「知」のソフトウェア 立花隆著 講談社現代新書

「考える技術・書く技術 板坂元著 講談社現代新書

です。

 

  • 会議力の要約

・1,2,3章の要約(情報整理術と会議の共通哲学への考察)

・6章の要約(上の要約がワークスタイルにもたらす変化)

・7章の要約(新しい組織のありかたと各個人の独立、自立)

 

・1,2,3章の要約(情報整理術と会議の共通哲学への考察)

 メンバーが離れた場所にいても、情報共有プロセスと時間シンクロさせることで、メンバーは自律的かつ分散的に活動できる。

 この一文が核だが、本書の3章にあるように、哲学をメンバーが理解するためにこの一文を掘り下げていく。まずこの一文を句読点で三分していただきたい。つまり「メンバーが離れた場所にいても良い」「情報共有プロセスと時間シンクロさせること」「メンバーは自律的かつ分散的に活動できる」に分けるということだ。「情報共有プロセスと時間シンクロさせること」=A、「メンバーは自律的かつ分散的に活動できる」=Bとする。Aに対しては「知的生産の技術 梅棹忠夫著」「発想法 川喜田二郎著」「続・発想法 川喜田二郎著」、Bに対しては「「知」のソフトウェア 立花隆著」を実際に読んで手がかりとした。「メンバーが離れた場所にいても良い」=Cとし、こちらは最後に言及する。

 A、Bは「どのようにセレンディピティが生ずるか」という点で別の領域にいた。会議力はAとB両者のセレンディピティが生ずる領域の違いを活かし、一見相反していたAとBを一連の流れに乗せた。

 

・A=「情報共有プロセスと時間シンクロさせること」

 ◯梅棹(と川喜田)はセレンディピティが生じるのは頭の外であるとした。

梅棹は頭のなかで無意識にやっていたことを外に取り出して操作を加えられるようにした。こういった操作を頭の外で何度も繰り返し行うことでセレンディピティが生ずるとした。

梅棹は会話で急にひらめきが生ずることにも注目した。会話はAそのものである。会話は情報共有プロセスと時間シンクロのことそのものだからだ。

 川喜田はまず情報を広げた。内部観察や外部観察、ブレーンストーミングを通して広げた。その後で広げた情報から加乗減除の精神で素直に小→大と関係を作り上げていく。この関係を作り上げていく過程がKJ法である。その後、関係に基づくモデル図の作成し、文章に起こした。グループで情報を広げ、関係を作り、図式化し、文章に起こす流れを踏襲する際、グループは関係を作り上げるKJ法に入る前段階で躓くと川喜田は言及した。グループ活動に入る前の情報共有に問題があった。

 広げた情報に「この情報は○○の主観である」「これは街の一人の話である」などのように情報の出どころを詳細にし、「とき」「ところ」「出処」「採集記録者」を示すなどして、誤解を減らそうと努力していた。少し余談だが、主観も主観であると意識していればそれは立派なデータだとする姿勢には発見があった。

 川喜田は「情報共有の際プロセスが落ちなければいいのであって、それをメンバー全員に要求すればよく、そのために共同で行動すればいい」と言った。川喜田は明確にどこでヒラメキが生ずるかは言及していなかった。しかし人とのやり取りの中、情報を外部に出し、視覚操作を加える中に見出していたのではないか。

 よってAの「情報共有プロセスと時間シンクロさせること」は二者のセレンディピティは外部で生じるという思想と重なる。

 

・B=「メンバーは自律的かつ分散的に活動することができるようになる」

◯立花はセレンディピティが生ずるのは頭の内であるとした。

 立花は「目的ありきのアウトプットを強烈に意識した情報収集こそ意味がある」と言った。「アウトプット先行型で得た情報に、深み、ゆらぎや多様性を持たせるべくインプット先行型の情報収集をすることで、ヒラメキは生まれるのではないか」と言った。よってただ何となく情報を収集し、イタヅラに広げていく川喜田の姿勢に反発した。 「脳の中でやっていたことをわざわざ外部で行うということはかえってひらめきの速度を奪ってしまう」と言った。「セレンディピティのようなよくわからないものに関しては、意識内作業であったものを物理作業(外部作業)に置き換えることはコンピュータにふさわしい」と言った。

 立花の「意識内作業によってひらめきが速度を持って生じる」という姿勢は各個人のひらめきへのプロセスを重んじる方へ発展した。ひらめきへのプロセスを持つ各個人の集合(=異なるシステムに存在する知識の集合)をコラボレートさせる(=を連動させる)仕組みを立花はエコロジー的思考と呼んだ。コンピュータ・ネットワークの世界においては分散システムということになる。

 よってBの「メンバーは自律的かつ分散的に活動することができるようになる」は立花のセレンディピティは内部で生じるという思想と重なる。

・C=「メンバーが離れた場所にいても良い」

 AとBの哲学を余すことなく再現可能であるなら、メンバーは物理的制約を経ち、離れたところにいても良い。

 Aにおいては、「情報共有を疲れずに自然にできる」、「ときに会話しているかのような気楽さがある」、「会話のような時間同時性がある」が満たされればいい。Bにおいては「個々に重きをおいた上で自主的に余すことなく情報を発信できる」、「個々が分散して情報を発信し合える」が満たされればいい。AとBにおいて、以上の要素を満たすならばCでもよい。電子メールによってCが実現する。

 AとBの哲学を元にCというこれからの可能性が見えてくる。6,7章の要約へとつながる。

 次ではA、B、Cが私達のワークスタイルにどんな変化をもたらすのかまとめる。

 

 

◯6章の要約(A、B、C、がワークスタイルにもたらす変化)

 Cの活用により、ヴァーチャル・ワークプレイス(=メンバーが離れたところにいてもいい具体例)を作る必要がある。メンバーはAとBの哲学を理解した上で、情報共有プロセスと時間シンクロさせ、自律的かつ分散的に活動できる。メンバーはその上で電子メールを活用し、物理的制約から解放される。

 ただし管理者(=リーダー)が自分のリアリティを超えたプロジェクトを作ってしまう現場との乖離は注意すべき。管理者はプロジェクトが出来上がっていくプロセスを実感でき、何となくでもプロジェクトは掴めそうな大きさであるべき。

 次ではこれからの新しい組織のあり方についてまとめる。

 

◯7章の要約(新しい組織のありかたと各個人の独立、自立)

 みなが企業(組織)に皆が求めるものが二つある。一つ目が安定した生活である。二つ目は自己実現である。組織は各個人の自己実現のために何ができるか考え、実践しなければならない。

 自己実現欲求の最たる存在はアントルプレナー(起業家)であるが、現在の組織にアントルプレナーを推進し、評価する土壌はない。

 リーダーは上によって「選ばれた」エリートであってはならない。一見エリートが組織を引っ張る良い構図に見えるが、チーム内で競争が生まれてしまうため良くない。競争は外とするべきで、チームワークは最大化するべきだ。逆説的ではあるが、チームにおけるリーダーも重要なのである。チームにおけるリーダーは知識と行動のギャップに敏感であり、ギャップを発見し、埋めなければならない。この時チームのリーダーはキャプテンでもある。リーダーのメンバーとのフラットな関係がチームワークを活性化させる。

 自己実現の話に戻る。これからの社会で、一人で生きていくためには、逆に人とつながれる能力が必要になる。独立(自立)と孤立は違う。人とつながっていっしょにコラボレーションしていく能力が必要である。つまり人と会って話をし、すぐに付加価値のあるアウトプットを出せる能力が必要だ。

 人とのコミュニケーション能力ではなく、コラボレーション能力が求められる。コラボレーションのためのリーダーシップもが求められる。

 コラボレーション能力のある各個人が人とつながりに行き、プロジェクト成功に向けコラボレーションし、信頼を築く必要がある。この信頼を獲得し続けることで、各個人が発する信頼に基づくネットワークができあがる。