まんがでわかるシリーズを侮るなかれ!
まんがでわかるシリーズを読んだことがあるでしょうか?
主に宝島社が出版しているのですが、このシリーズが新書を超える入門書になると思いました。
具体的に
『ドラッカーのマネジメント 藤屋伸二監修 nev漫画』
『7つの習慣 フランクリン・コヴィー・ジャパン監修 小山鹿梨子漫画』
『ニーチェ 白取晴彦監修 nev漫画』
『伝え方が9割 佐々木圭一原作 大舞キリコ作画 星井博文シナリオ』
の4冊を読んでみました。
少し硬い内容といえど、漫画なので1時間から2時間あれば十分読めます。
正直読み始める前は「所詮漫画でしょ?対して原著に触れてないような軽い内容なんじゃないの?新書、実際の本のほうが意味あるでしょ」と考えていた(と思います......)
しかし読んだ後の感想は「こりゃ新書の次の教養新書の現れだ!新書にハードルを感じた人でもこれなら読める。それに内容も要所を盛り込めている。それに抽象的でわかりにくい内容も漫画のキャラや物語、図で身近なわかりやすいものとなっていた!本より人に勧めやすいぞ!」といったところです。一言で言うと「こりゃ使える!」です。
本のときは核心、要所が文字に埋もれてしまっていた。人によっては何が大切なのかわからなかったかもしれない。何より初学習者や興味を持ったばかりの人にはハードルが高すぎた。
新書よりも軽い漫画は核心、要所だけ文字多めで説明するので必然的に浮く。それに物語のページが抽象的だった核心、要所を身近な一例に見て取れるようにしてくれる。
それに漫画で入り口を通り、原著に触れるという新たなステップができたと考えたい。ハードルが高すぎたので手前にジャンプ台を置いたイメージだろうか。
もちろん読書は大切なはずだ。読書は自身の価値観を広げ、人の声に耳を傾けられる土台を作り上げてくれる。自身の価値観が絶対という狭い領域で生きている人は一声に耳を傾けられない。なぜなら「自分の価値観においていいものか、悪いものか」の二択でしか話を聞けないからだ。
話を聞く、にも二段階あることと思う。話を聞いて話し手を信じることで話を聞くとする段階。もう一つは相手の話を素直に聞いて認め、自分の価値観の中に留めるという段階だ。自身の価値観が狭く、育っていない人ほど前者の段階に陥るだろう。前者はつまり信じるか、信じないかという話の聞き方しかできないということだ。これでは人は狭く狭く、生きにくくなっていしまう。
価値観が広がり、豊かになってくると「人はみな違う。価値観なんてものは絶対的に存在はしないんだ」と気づくはずだ。そこで主体的に自分の価値観を考えなければならないとなる。皆違うと認めた上で、主体的に自身の価値観を構えることで人の声に耳を傾けることができるのだろう。人の話を聞ける人は、主体的な自身の価値観がある人ということになる。こういった人は人の話を信じる、信じないの二択ではなく、一つの情報として自分に内に留めることができるのだ。
読書と価値観の話に転じてしまったが話を戻そう。読書は各個人の価値観を広げ豊かにする。読書によって私たちは人は皆違うことを認め、その上で自身の価値観を主体的に築ける。しかし現状読書にハードルを感じる人が多い。そこで漫画が一つ前の段階に位置し、機能しうる。漫画に対する期待がここにあるということだ。
少し話がずれますが、もちろん読書は人の話を聞くことで置き換えられるだろう。だが身の回りで常に価値観を豊かにする話手はそうはいないはずだ。ではネットで著名人の話を聞けばいいだろうか?それも一つの手段だと思う。しかしその際、偏った立場の話を聞き続けていないか気をつけなけらばならない。
少し堅くなってしまいましたが、本が難しく断念した記憶のある御方、読書よりも軽く価値ある書に触れたい御方、ぜひ本屋でまんがでわかるシリーズを手にとってみてください。